クロムハーツ製 ウォッチケース修理

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今回は、クロムハーツ製ウォッチケース修理の

ご紹介です。


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コマつめ修理のご依頼で持ち込まれる、

比較的新しいモデルの大振りなケースと異なり、

かなり珍しい初期の頃のお品物で、

この時期の銀製のウォッチケースは、すべての面で秀逸というか、

ハンドメイドならではの”味”の集大成な感じがします。





さて、今回の修理内容は、クロス飾りのケースの方がクリップ部の

バネ折れ修理で、リリー飾りのケースは時計を固定する”爪金具”の

破損の修理です。



ご遠方からのお客様だったのですが、ご夫婦で東京に遊びにいらした折に、

わざわざ工房にお寄りいただいて、ありがたい限りです。






早速、お品物の状態を拝見すると、

ケースの裏側の時計を固定する爪が一ヶ所折れてなくなっていました。


残る3ヶ所の爪で固定していた状態は、時計が外れてしまうほどではないですが、

時計とケースに少し”ガタつき”があり、見た目とともにそれを解消するためにも、

爪を追加(元通り復元)する作業が必要となりました。


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修理作業の様子は、また別の機会にご紹介できたらと思いますが、

作業内容をかんたんに説明すると、

↓折れた箇所に穴を開けて、同じ銀製の棒を差し込んで、強度を持たせ、

スポットで溶接できるレーザー溶接機を使った補修を行い、無事作業完了です。




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少々余談になりますが、
シルバー製品の修理を断られるケースが多い理由について、
少し触れさせていただきます。

修理作業は、今回のように何かが取れてしまったり、破損した場合が多く、
溶接加工が必須の作業になります。

その際、シルバー製品への溶接(ロウ付け)作業は、金やプラチナ製品と異なり、
銀素材に”熱伝導率が高い”という特徴があって、
壊れた箇所だけに”部分的”に熱を加えて溶接することができません。


何かお品物を作る時は、完成に向かった工程順に溶接していくので、
問題ないですが、完成品の修理・補修の際は、ひじょうに厄介です。


厄介な理由は、溶接したい箇所以外、広い範囲に熱を加えないと、
溶接材(ロウ材)が融けにくく、この広い範囲というのがネックになります。

修理した箇所以外の余計な所まで余計な熱が加わるので、
壊れていない部分まで変化・悪影響を及ぼすといったところでしょうか。

それゆえに、修理前と修理後の風合いが変わってしまうケースも多々あり、
最悪、修理はできたけど、問題のない他の箇所が変色・変形・溶解・分離してしまったり、
石などは、変色したり焦げた状態に陥ります。
それが事前に分かっている場合は、
製作工程の内容自体も元々不明なこともあり、修理を受けない方が無難です。


また、素材に関わらず、メーカー品やブランド製品などは特に、
何か失敗があった場合のリスクを考えると、高額品は修理を受けない方が正解といった
考えもあると思います。
万が一のお品物の弁償などの額と、修理代として申し受けられる
常識的な代金との差が大き過ぎるのもひとつの理由だと思います。


等々・・・何よりシルバー製の品物の修理を受けるのは
”避けた方が正解”といった感覚をほとんどの職人さんが
お持ちだと思います。

工房の場合は、こうしたリスクを考える前に”好き”なので、
できるだけ受ける方向に積極的に活動しています。






もう一点のウォッチケースのクリップ部分のバネ折れの修理も、

完了して、全体を綺麗に磨いてご返却・納品となりました。

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以前にも、このタイプのケースブレスのリペアや、

時計の入れ換え、新品磨きなど、

作業を承る機会を数多く頂いてきましたが、

今回お預かりした個体は2点とも、ひじょうに状態が良く、

経年変化や使用感はそれなりだと感じますが、

目立ったキズも少なかったので、比較的スムーズに作業が

できました。・・・といっても、クリップ部はこちらもガタつきが多くて、

結局全部バラして、組み直すことになってしまいましたが・・・



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それにしても、美しく綺麗なラインのケースで、イメージよりも遥かに

コンパクトな印象です。

組み合わせている時計の方もまたいい感じです。

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リリーケースの方は、ご覧の通り蓋が付いたタイプで、

こちらも時計の大きさのわりに、ケースがコンパクトな印象でした。


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蓋を開けると、スモセコが小粋なエルメス製のアンティークウォッチが

組み合わされていました。

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いやいや、素敵な時計ケースにうっとりしている場合ではなく、

修理作業は、時計に大きな震動や熱が加えられない分、

慎重に慎重を極め、尚且つ、修理箇所は確実な補修を施すため、

かなり(手ではなく気の方が)疲れました。


また、新品仕上げは、いつも通りいぶし等の風合いはできるだけそのままに、

艶出しの鏡面仕上げにできるだけ近づけて磨きこんで完成です。



今回、工房のようなちっぽけな存在に気付いて頂き、

ご来訪、ご依頼ありがとうございました。

大切にお使いになっているご様子がお品物から

伝わってきます。


「”新品”のときよりも、新品になった感じです」と

先ほどお電話を頂戴して、ご満足いただいてほっとしました。


また、東京にお越しの際は、是非遊びにいらしてください。

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◆クロムハーツ製品へのカスタマイズ及び、修理作業の関連記事

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費用や納期に関するお問合せは、
すべてお電話のみの対応とさせて頂きます。


特殊な製作内容・加工を除き、製作納期やカスタマイズ作業の納期は、
概ね1週間にて承ります。


■工房ではどちらでご購入されたお品物(銀・金・プラチナ製品に限ります)でも、
修理や加工作業を承っています。
但し、必ずしもすべてが元の状態と同じレベルまで修繕できるわけではありません。
修理後は、修理前の状態と比べて、形状・強度・色あいなどが変わるケースもあります。
細かい部分まで気になる性格の方・神経質な方は、
ご依頼ご遠慮願います(メーカー・購入先にお問合せください)。







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