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zoom RSS 似て非なるもの/ガラスとダイヤ

<<   作成日時 : 2017/07/22 14:44   >>

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↑こちらは、石が取れてしまったペンダントの修理依頼で

お預かりしたお品物です。


パッと見て、これがガラス材のラインストーンを貼った、

金メッキ仕上げ(本体の素材はおそらく銅合金系)のアクセサリーとは

思いません。



↑ちなみに、ちょうど真ん中に3個並べたキラキラ材は、一番左がガラス材、真ん中が

合成石(いわゆるキュービックジルコニア・・・何年か前にCZダイヤの名前で

”一世風靡”した人工石
)で、一番右が天然石ダイヤモンドです。



↑そして、写真右手に”くの字”に置いたチェーンが、正真正銘の18金製ネックレス、

アズキチェーンです。





↓お客様から、「石が1ヶ所取れている!」とのことでしたが、

拡大すると、こんな感じに見えます。


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よく見ると(というか、一瞬で分かります・・・)、周囲4つの爪状の尖った棒が、

石(この場合ガラス材)に掛かって(覆って)いません。


しかも、爪と石(ガラス材)の間には、若干の隙間も開いてます。

これだと、物理的に石を固定することができません。


要するに、キラキラ材の周囲から固定しているものが無く、

これが接着の固定であることが分かります。



もしも、このキラキラガラス材に、金属製の爪を寄せて倒して固定しようとすると、

ガラス材は簡単に割れてしまいます。




そう、ルーペで見てしまうと、これがジュエリーの領域で作られたお品物ではなく、

最近では、”グルーデコ”と呼ばれるらしいですが、接着剤を使ったキラキラのデコ材、

すなわちアクセサリーの領域のお品物ということが一目で分かります。





接着剤を使う細工というと、自分の中では幼少期から慣れ親しんだ、

”プラモデル”といった印象です。

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今も時折懐かしくなって、たまに作る時があります。(静かなブームらしいです)

”セメダイン”とか、”田宮セメント”だとか、子供の頃の記憶が蘇ります。


プラモデル→ラジコン→自動車いじり→船(モーターボート)いじり→

バイクいじり→ルアーやフライフィッシング(釣り)の疑似餌作り・・・・

今まで様々な趣味の世界を遊びの中で楽しんで来ましたが、


現在の手や指を駆使するジュエリーの仕事になる根本が、すでに子供の頃から

芽生えていたのかも知れません。




そんなわけで、接着剤を使うことには、抵抗はありませんし、

むしろ慣れた作業なので、今回の修理依頼の作業も、簡単短時間で完了しました。



それで、これはまた良い機会だと思って、

まだまだ広く知られていない、

アクセサリーとジュエリーの隔たりや、本格的なジュエリーと、

それに似たものの違い・・・似て非なるものを、

一知識としてご紹介できたらと思いましたので、

写真を交えてご案内させていただきます。



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↑肝心の修理作業は、作業台に軽く固定して、

ガラス材が取れた穴に合うサイズのガラス材・・・・すなわちスワロフスキー社製の

ラインストーン(ガラス装飾材)を用意します。



ガラス材は、ダイヤモンドのような形状にカットされ、裏側に接着剤を着けても

表にその接着剤の色が透けて見えないように、またキラキラ感が出るように

金属メッキが施されています。



↑の写真の真ん中あたりに、4つ並べているのがラインストーン、

うち3つは、裏面をおもて側に置いてありますので、金色めいたメッキが

施されていることがお分かり頂けると思います。




修理のご依頼は、ホースシュー(馬蹄)ペンダントトップの1つ取れたのを

直す(石を付ける)でしたが、ご覧の通り、キャッチ金具(留め金具)部分の3個も

全部取れた状態でしたので、穴サイズに合った大1個、小3個を用意しました。





それぞれに接着剤を塗布して、取れた穴に貼り付けて終了です。

特に技は要らず、材料さえ用意できれば、極端に不器用な人を除いて、

道具もピンセットぐらいでしょうか・・・誰にでも出来る簡易的な作業です。



金製品に見えるように安価な合金にメッキして、

ダイヤに見えるようにラインストーンを使い、

細工は接着・・・・

気軽に買えるアクセサリーは、みなさんのお財布にも優しいし、

ファッションとして、いろいろな着こなしにもプラスして映えます。

これぞ良いこと尽くめ
  



確かに、良い面もある気がしますが、

・・・・・・ん〜ん微妙だぁ






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参考までに、↓の3個のキラキラの石は、

一番左が(裏側にメッキの石)スワロと呼ばれるガラス材のラインスートン、

真ん中が、キュービックジルコニア(CZダイヤという呼び名は適正ではありません、

一部の人がダイヤの一種と勘違いしますので、”ダイヤ”という呼び名は正しくないです。

呼び名自体も紛らわしいですが、

ダイヤの品質と比較する表などを用いていたりすると、紛らわしさを超えた印象です。)



右は、正真正銘のダイヤモンド=金剛石=天然石です。

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ちなみに、一粒の値段ですが、左の”スワロ”が1個1円以下、

真ん中のキュービックジルコニアが50円位、

右の正真正銘の天然石、ダイヤモンドが一粒2800円ぐらいです。
 



ラインストーンのガラスの”スワロ”は、スワロフスキー社以外でも

同質のアクセサリー装飾材が多メーカーで生産されているようで、

中にはあまり光らない粗悪なものまで、品質はまちまちのようです。



キュービックジルコニアも、代表的なメーカーがスワロフスキー社なので、

ラインストーンと間違われたり、

”スーパーキュービック”とか、”シグニティーキュービック”など

いろいろな名称があったり、中国産の粗悪品も存在したりと、様々ですが、

高品質なスワロフスキー社製のキュービックジルコニアが安くて綺麗で

高性能といった印象です。数年前まで、一部の販売業者が”CZダイヤ”といった

名称を多用したアクセサリーの販売が目立っていましたが、

現在では”公的機関”での警鐘もあって、”CZダイヤモンド”の名称はようやく影を潜めたようです。











↓少々見にくい画像ですが、ダイヤモンドと似ているキュービックジルコニアの

石の表面には、何年か前から”SWAROVSKI ZIRCONIA”の極小レーザー刻印が

入るようになりました。

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ところで、ジュエリー領域での石留め(宝石を固定する)細工とは、

なんぞや?と言いますと、↓の画像のように、石に小さな爪状のものが、

複数掛かかるように、固定する方法を指します。


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↑↓見やすいように、内側にブルーの色が付いたルーペで拡大して

撮影しています。


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穴を開けたり、フレームを作った上で、石を座らせて、石よりも高い位置に

爪を備え付けたり、周囲の地金を盛り上げて、石より高い位置から

石側に倒して、ほんの少しだけ石に掛けるように固定するのが、

ジュエリー領域での”石留め細工”です。



↓こちらは、何も無い、フラットな面に石が入るように、穴を開けて、

その周囲に固定する爪状のブロックを作り、それを専用のミル鏨で

石側に倒しながら添わせて留めていく”彫りどめ”という細工の一種です。


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半球状の爪4箇所でダイヤモンドをがっちりと固定しています。


↓こちらは、”隣同士”石2石を、同一の爪で固定する”シェアプロング(共有爪)”と呼ばれる

石留め細工です。


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ちなみに、↑の宝飾細工の石留めのお品物は、すべて高品質なダイヤモンドです。



ダイヤモンドの質は、無色透明、そして美しく正確に研磨されるほど高品質で、

値段も相応に高いですが、比例して輝き方も強く美しく、

その名の通りの魅力満載の本物の宝の石です。


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一方、それに似て見える、手軽なアクセサリーというのも、

別の意味で親しみやすく、万一紛失したり、壊れてしまったり、

劣化したとしても、本物のジュエリーよりも痛くないといった感じでしょうか。


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↑シルバー製をベースにキュービックジルコニアで飾った、

キラキラのG-ショックカスタム。こちらはアクセサリー然とした成り立ちですが、

ラインストーン+接着ではなく、ジュエリー領域の石留め細工を駆使して

飾ったお品物なので、素材を安価にして、細工は”本格的”といったお品物です。


接着剤を使ったアクセサリーと異なり、海やプールで遊んだり、シャワーを浴びても

剥がれて取れることなく、長くご愛用いただけるお品物です





ジュエリー・・・そして、似たように見えるアクセサリー・・・・

どちらも、よく理解して、上手に活用して頂ければハッピーなんですが・・・・・
 





一般的には、詳しく知っている人が少ないですから、

ごく稀に、本当のジュエリーと勘違いされて購入して、

”騙された”感を持ってしまう人や、

壊れてしまった際に完全修復を願ったり、

(特に接着やメッキ品の場合、元通りに修理することが不可能な品が多かったり、

仮に元通りにすると作業費用が購入金額に近くなったり)、

それがまた、誰かにもらった”思い出の品”となると、

修理を依頼された側は、厄介事になりかねない印象です。





そもそも、本物のダイヤモンドを飾った貴金属ジュエリーと、

ラインストーンを飾った合金メッキのアクセサリーでは、

一見、見た目が一緒だったとしても、

相当値段が違うはずです・・・・





安い材料を使ったアクセサリーでも、ブランド品や

一般店頭小売価格では、素材に関わらず、結構なお値段(数万円)だったりするので、

勘違いする人も、たまには居るような気がします。



ラインストーン、一粒1円もしない、銅合金の金属の値段

おそらく1kg数1000円、


一方、ダイヤは小さい粒でも1石 千円単位、金やプラチナは

1グラム5000円、1Kgで500万円・・・・
 




素材自体に大き過ぎるほどの、価格差があることも、

意外と広く知られていません。





昔の人が言った(と思う)・・・  「安物買いの銭失い」  



消費が冷え込んで長い年月が経ってしまい、

高額品が売れないのが当たり前で、

低額=安くて当たり前の商品が売れる時代です。


でも、実は高額品ほど価値が残って、

低額品はそれこそ、何も残らない幻のようなもの。

売る側は、低額の方が売りやすく、しかも利益も乗せやすいのでは

ないでしょうか?!

例えばコスト5000円で作って、20000万円で売る方が、

5万円のコストで作って10万円で売るより簡単といったところだと思います。





それにしても、大事なお金を欲しい・気に入った”物”と交換するわけですから、

(金額が)ちょっと高いなぁと感じても、

ゼロに近い物質価値に換えるよりも、交換するに匹敵する価値ある物質を

購入することの方が、結局は価値が戻る”賢い買い物”になることだと感じるのは

僕だけでしょうか。



無論、安く買える方が、物欲を満足させるという意味では、充当されると思いますが、

同じ数万円で買い物するなら、中身をよく理解して、

価格に見合ったお買い物をされるのが吉だと常々思います。



なんだかよく分からない”便乗付加価値”が存在する高額ジュエリーブランド品、

デザイン良し、雰囲気良し、だけど、物質的な価値がほとんど無い低額アクセサリー・・・



世の中の現状は、両極端な印象ですが、

なにより、大事なのは、物の中身をよく理解することだと思います。



衣食住なら誰もが、広く深く、知識や情報を知っていても、

ことアクセサリーやジュエリーといった装身具となると、

さっぱり分からない・・・誰もがまったく詳しくない印象です。



休日に電車に乗って、ジュエリーを着けている人がどれぐらい居るだろうと

見渡してみても、ほとんど居ない現状を知って嘆かわしく感じます。




そもそも、アクセサリーとジュエリーの見分けさえ付かない、

ゴールド(色)のアクセサリーが、みな18金製品だと大勘違いしている人、

銀色もまた同じ・・・・

実は安物の合金とか、表面加工のニッケル主体のメッキが

肌荒れとか、アレルギーを引き起こしているのに、

本物の銀や18金製品、プラチナさえも肌に着けられない

自分は、”金属アレルギー”だと勝手に思い込んでいる人、

想像を遥かに超えてたくさん居ることに驚きます。
 





でも、少しだけ、興味を持って調べて頂ければ、

ジュエリーやアクセサリーは意外と身近に楽しめるものと、

ネットの世界が、いろいろと教えてくれるような気がします。


■関連記事 ダイヤとスワロとキュービックジルコニアの違い 

http://ivorytower.at.webry.info/201101/article_11.html

http://ivorytower.at.webry.info/201309/article_3.html



僕自身も、この仕事をするまでは、当然まったく知らなかったわけですが、

いろいろ好き勝手に作れるようになった今、みなさんに簡単に理解してもらう

ひとつの価値の目安は、

貴金属とダイヤモンドなど宝石の価値の基準は

すべてが重さにある
 ということに尽きます。


もちろん、重量でははかれない、造形美とかデザイン、

ブランドのイメージなどの付加価値、

そして、宝石・・・特にダイヤモンドは質(クォリティー)にも大きく価値が左右されますが、

こちらも、興味を持って調べれば、想像している以上に、服や靴バッグなど、

ファッションアイテムと、それほど変わらない程度に、楽しめることに

気付かれることと思います。




価格帯によっては、身分不相応と感じる人が居たり、

なんだか派手で目立って”チャラチャラ”した感じがしたり、

抵抗感があると感じている人も中にはいらっしゃると思いますが、

アイテムによっては、十分楽しめるものが見付かると思います(特に男性)ので、

”食わず嫌いになったまま”の人も、

どうか、当工房のブログを隅々までご覧頂いて、

価値あるアイテムとして、楽しめるものを見出すことを切に願います。


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今回も、まぁ、いつも通り、脱線だらけの話になって

うまくまとめ切れずになってしまいましたが、

お買い物の参考になればと思って、長々つらつらと書いてしまいました。

最後まで読み切っていただいて感謝です。






ご依頼の修理作業は↑の画像の通り、ブログを書く時間の1/100で

完了して、無事持ち主の方へお届け出来ました。


今回も、ご依頼ありがとうございました。



☆ここから、追記です。

まずは、画像のご紹介から・・・・


画像



↑↓こちらは、別の作業(チェーンが通らないため、バチカンをあらたに新設する

作業のご依頼)でお預かりしたお品物ですが・・・

素材は18金、飾っているのはダイヤモンドですが・・・


画像



石がぽろっと取れちゃいました!

だって、石のサイズと石穴がほとんど同じだし、小さな丸い爪状のものが

ほんの少ししか石(ダイヤ)に引っ掛かっていないから、取れて当然。


しかも、品物自体がそもそも極薄、ぺーらぺらです。


これでは、他の石も裏からちょっと突っつくだけで、簡単に取れちゃいます。

で、触らぬ神に祟り無しってことで、取れた箇所だけ、そーっとダイヤを留め直して、

ご依頼頂いたバチカン(ネックレスチェーンを通すリング)を取り付けて

ご返却させて頂きました。


画像


裏側の状態も、見ての通り、手が入っておらず、職人が見たら誰もが

酷い細工だぁと感じるでしょうね。こういった細部のことって、買うときには

気が付かないものですから、お客様にとっては選択の余地は無いかと思いますが、

修理とか、加工の際に、こうした部分って分かってしまうんですね。


反面教師として、自分が作る品物には、こういった無理な作りにはしないように

気を付けようと思います。これなら、潔く、”接着”の方がどれだけマシなことか・・・


メーカーさん!あと0、5ミリ地金の厚みをアップしたところで、”儲け”

そんなに変わらないでしょう!高い値段で売るんだったら、

ダイヤの方も色は甘くても、せいぜいクラリティーとカットは上げましょうよ!


にしてもダイヤ黄色いし、形凸凹です・・・





___________________________________


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現状作業が混みあっておりますので、お断りさせて頂いています。 



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すべてお電話のみの対応とさせて頂きます。
営業時間外や休業日のお問い合わせのお電話はどうかご遠慮願います。

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修理等は、現状受け付けていません。というか、時間が取れなくてごめんなさい。








 

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